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Mail from Shibutare to Nakahara 980211
Date: Wed, 11 Feb 1998 01:21:54 +0900 (JST)
To: Kodai Nakahara
From: Hideo Shibutare
Subject: 書き込もうとした全文

浩大さんへ
BBSは長文がダメでした。
書き込もうとした全文を送ります。

ひさしぶりに書きますので少し長くなりますが読んでみて下さい。。

美術工場からの報告

カメパオ(頭)が京都に行って1週間たちました。
9カ月あまり、子どもたちの遊び場になっていたカメパオがなくなり、いろんな反応が子どもたちからでていますのでお知らせします。

先週の土曜日、工場に来た友梨ちゃんが、玄関を開けるなり
「先生、カメパオほんとうになくなっちゃたんだね」と言って入ってきた。
「ないとさみしいよ」
(浩大さんと黄瀬君が来た先週の土曜日にカメパオで遊んでいた女の子です。)
他の子も
「落書きができなくなっちゃった。」(カメパオによじ登ってた男の子)
「むかついた時あった方がいい」(カメパオに穴を掘っていた男の子)
「いつ帰ってくるの」(水曜日の子ども)
「だれに貸してあげたの」(水曜日の子ども)
「また作らないの」(木曜日の子ども)
「壊しちゃったの」(先週は休みだった子ども)
こんなことを子どもたちは言っていました。

「雪の中のカメパオを確かめようと思って、雪の降る京都のお兄さんたちのアトリエに持っていった」 「暖かくなったらまた帰ってくるよ」と言っておきました。
子どもたちも雪のカメパオの報告を楽しみにしています。

設営の日程が決まりましたら知らせて下さい。

 ちょっと日がたちましたが、山宮さんの最近の子どもってどうなんだろう?
山宮さんの問いかけは一連の子どもの刃物事件のことから発しているのだろうと言うことを前提にして感じていることを・・一人一人子どもの抱える情況や性格など諸々のことを考慮して語らなければならないと思いますが子どもたちの周辺のあたりを少し僕なりに書いてみます。
 子どもと刃物についてから考えてみると今、教育の中では刃物使うことって極力避けてるしょ。家でもそうじゃあないかな。子どもは小刀を使ってみたい・・それで何か作りたいと思っているのに・・。小さいときから「あぶい!」・・それで「だめ!」確かめるまもなく、大人から禁止されてることが多すぎますよね。子どもが使ってみたいときでも「あぶない!」・・それで「だめ!」ですから実感することもなく子どもは憧れの気持ちだけは増幅していく。確かに危険ですけど、ちゃんと教えなければ!どうも大人がサボっている。刃物を実際使ったことはないのですから、当然使い方もわからない。カッターナイフの刃がどれかも知らなかったりする。刃物には人を殺すための武器とものを作るための道具の二つがあると思いますが。子どもたちは武器としての刃物についての情報はいっぱい持っている。(女の子は興味を持っていません)実物に近いものも簡単に手に入る。刃物でものを作ったことのない子どもたちが武器としての刃物を持つ。何かアンバランスな感じがします。
 さらに「こわい!」と言う感覚を無視してきた大人が多すぎるんじゃないかと思っています。刃物を実際手にしたとき直感的にこわい!ということってありますよね。
危険に対する感覚だと思いますが。(小さな子や女の子は敏感です)これって僕は、人間が生きていくうえで最も必要な感覚だと思っているんですが、どうも子どもが「こわい!」という言葉を投げかけている時に、ただひたすら「こわくないよ!」と言われても、その子にとってこわいものは誰がなんと言おうとどうしようもなくこわいんです。例えば遊具の上で泣きながら訴えている子どもに「こわくないよ!」といって励ましている?大人を見ると何を考えているんだろうと思ったりします。これが教育現場であったりするとさらに残酷だ。「こわい」と言うことさえ言えなくなってしまう。「こわい!」と言うことが格好の悪いこと、恥ずかしいことになってしまう。
ここでも子どもたちの感覚は麻痺していく。こわくないということを教える前に「こわい!」と感じた感覚をたいせつにすること「恥ずかしいことでもなんでもない」と言うことを教えてほしいと思いますね。ここでも大人がサボっている?何を焦っているのか!大人に余裕がないですよね。そんな中で子どもたちは育ってきていると思えます。一方、マスメディアからはいいも、悪いも、次々に新しい刺激的な情報が子どもたちにドドッと押し寄せてきて、無防備な子どもたちの好奇心を揺さぶる情況がある。さらにもう一つ言えば、死の教育みたいなものがないじゃないですか。子どもにとって身近な死の一つにここでも話題になるペットの死があると思います。この辺について大人が子どもに何を伝えられるか?なぜか教育現場では小動物を飼育したりしていますがいろいろ問題がありますよね。大勢の子どもたちの相手をしなければならない動物たちはかなりのストレスだと思いますし、動物にもそれぞれ人格?があるよね。やはり1対1で飼ってはじめて気持ちが通じ合う。涙もでる。愛情も生まれるだろうし。・・・・
 ちょっと疲れたので整理のつかないままやめます。(ここ2.3年に一生であるかないかみたいなことが一挙に起きています。子どもたちはそんな社会で育っている・・話しは少し長くなりますので中途半端ですが別の機会に。)

BBSでこんなだらだら書いていいのかな?
山宮さんの問いかけにスッと書けないでいました。また書きます。最近のこどもについては少しづつ工場の子どもたちの様子でもお知らせします。
浅田君「ピーちゃん」と「プーちゃん」また見に行きます。

しぶたれ
Last Updated: 2004.02.27
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