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カメパオには、自然災害など緊急事態が発生した1ヶ月後から約3ヶ月間という時限的な緊急の居所として存在させるという想定があります。この想定は阪神大震災での経験をもとにしています。
しかしながら、アゴラを訪れる子供達はこうした意味での緊急な状況の下にいるわけではありませんから、彼等のカメパオとの付き合い方は当然ながら違う時間の流れ方をすることが予想できます。今回の場合では、2000年8月末にリフォームが始まってから約8ヶ月、そもそもこの2代目「ダンボールのカメパオ(KPCB99)」が組み立てられた1999年8月4日から通算すると、なんと1年8ヶ月以上が経過したことになります。改めて考えてみると、このような長期にわたって子供達が興味を失うことなく修繕や改造を繰り返しながら付き合い続けてきたということは、かなりの驚きですらあります。
リフォームというスタンスを取り入れることや、「ダンボールのカメパオ」というアプローチ自体の有効性のテストとして、今回の試みは大きな収穫だったのではないかと思います。

「解体」は当初2000年11月末の予定でしたが渋垂さんとアゴラの子供達とのやり取りのなかで何度か延長されてきました。解体は目の前からカメパオが無くなることを意味しますから、付き合い続けてきた子供達にとって、またカメパオプロジェクトにとってもとても大切な瞬間だと思います。そして、自分達の手でカメパオを撤去することによって、子供達はひとつの「くぎり」を体験することになります。くぎりを提案するのは大人の役目かもしれません。先延ばしし続けるわけには行きませんし、強引であってもいけません。この時期をいつにするかの判断はその場でしか分からない渋垂さんと子供達とのお互いの呼吸のようなものが作用するはずです。そして、、、、
今日、「ダンボールのカメパオ(KPCB99)リフォームプロジェクト」はその最終ステップである「解体」を迎えることになりました。
ダンボールのカメパオは変化した?
1:30 pm
玄関から一歩、子ども美術工場アゴラの中に入るといつものように子供達のエネルギー。そして、奥の畳の間には「ダンボールのカメパオ」がいます。
ただしここに最初にこれを組み立てた直後のような威圧感ではなく、、、何と言ったらいいんだろう? 優しいダンボールのお化けみたいな存在感を漂わせています。
子供達は「ダンボールのカメパオ」の存在を特に気にするでもなく、かといって無視するでもなく、ごく自然な関係。それにしてもこのちょっと奇妙な光景を初めて見る人は戸惑うかも知れない。
「ダンボールのカメパオ」は、劇的に変化したと言うよりは少しずつ少しずつ手を入れられてきたといった印象。
廊下側に迫り出していった2階建てになっている辺りなど比較的早い時期から増殖しはじめていた部分も、よく見ると細部がつくり込まれてとても複雑になってきたのがわかります。
ところで、、、
今日はまず子供達によるお別れパーティーが開かれる予定なのですが、、、
お別れパーティーの内容は実はまだよく決まっていないようで、何人かの子供達はその準備をわいわいやっている様子。ほどなく、プログラムが張り出されました。
高学年の子供達が中心になって、おやつが配られる。
3:00 pm
仕事の前にまずはエネルギー補給。
外では黄瀬君が「足パオ」の割れたアクリル板を取り外す作業。
お別れパーティー?お別れ祭り?
3:30 pm
照れくさいよね。
子供達数人がお別れパーティーの開始をモジモジと宣言。
お別れパーティーは祭りだ祭りだ。
亀吉GOGO!! 何でハッピなんでしょう? 祭りだからです。子供達のあいだを練り歩き、作業机の下だろうとどこだろうと亀吉達を乗せた山車が引き回されて行っちゃいます。
色画用紙のお金がコインからお札まで適当に混ぜて大盤振る舞いされ、アバウトなお金を払い色画用紙で出来たお好み焼きを受け取ると、アバウトなおつりが帰ってきてお金持ちになっていたりします。

いよいよ解体作業が始まりました。
4:00 pm
ときどき渋垂さんがフォローしたりする場面も在りましたが、子供達は解体の手順をほとんど把握していて、作業は子供達中心にどんどん進んでいきます。(子供達のうちの何人かは1999年の「KPCB98」の解体に立ち会った子供達です。)
まず、カメパオの中にため込んであったいろいろなものを運び出します。
運び出しが一段落して中に人がいないことを確かめると、天井から吊るしてあったロープを一つずつ切り落していきます。少しずつ脱力していく「ダンボールのカメパオ」。
廊下に増殖していた2階建ての部分も解体されていきます。作った本人達が自ら解体するのですから、どこをどう壊していけばいいのかよく分かっているようでどんどん進んでいきます。というか、、、うまく解体できるのは本人達だけかも知れない。
ロープから解放されて「ダンボールのカメパオ」は畳の上にぐったりとしなだれました。(カメパオ!!お疲れ様でした!!)
手前に散乱しているのは、中にため込まれていたものたちです。
次に、子供達はカッターで各部分をザクザクと思いきりよく切り離していきます。切り離された「ダンボールのカメパオ」の断片は子供達が抱えて持って行き、その場でまた次の遊びが始まりかけたりもしますが、それも少しずつ収束していきます。
船上で解体された鯨?怪物?のようです。
5:00 pm
作業は最終段階へ。「ダンボールのカメパオ」は子供達の手ですっかり解体されてしまいました。
(例えがわるいでしょうか。。。)
作業は最終段階へ。
最後は、ダンボールに残っているガムテープを剥がしていきます。すっかり解体されて床を埋め尽くす残骸となったダンボールには、これまで補修に補修を重ねてきた証明といわんばかりに、いたるところにガムテープが何層にも貼り重ねられています。記録撮影の手を止めて、作業を続ける子供達に混ざり、ガムテープをベリベリと剥がしていると彼等がこのダンボールと付き合ってきた長い長い時間がじわりじわりと伝わってきます。
やがて、子供達のお迎えが来ては一人また一人と帰っていきます。でも後始末はなかなか終わらない。
子供達の帰った後、僕達にはもうひとつ別の作業が残っていました。
5:30 pm
これまでアゴラの庭先には2つのラワン合板製のカメパオ「ベニヤのカメパオ」が設置された状態でした。僕達はこの2つの「ベニヤのカメパオ」をそれぞれ「KP15」、「KPPW99」と呼んで区別しています。このうちの1つ、「KP15」の解体作業です。「KP15」は「カメパオver1.5 カメパオ化」のときの頭パオの内側ドームの部分です。1998年夏に設置したのち、翌年の1999年夏に外側ドームを取り外して現在の場所に内側ドームだけの状態で移設していました。こちらの解体作業はあっという間に終わってしまいました。だからこそカメパオ、でもあるわけですが。。。
アゴラの庭先には「KPPW99」だけが残されます。
渋垂さんから「KPPW99」のリフォームに向けて子供達の書いたスケッチを受け取る。
6:00 pm
そう、次は外にある「ベニヤのカメパオ」のリフォームです。
僕達も本日はこれで解散。アゴラも明日からGWだそうです。畳の間からカメパオがなくなった後の「カメパオ使い」達の様子はどんなだろう。。。。

「ダンボールのカメパオ(KPCB99)」、「ベニヤのカメパオ(KP15)」長い間お疲れ様でした。
Last Updated: 2004.03.03
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